2018年05月24日

DAZZLEメンバーブログ -長谷川達也-


振付が全然思い付かず、悶々としている長谷川達也です。

2日間部屋にこもって考えていたのに、たったの8カウントしかできなかった。
時間にして約6秒分。
48時間全部とはもちろん言わないまでも、それほどに時間をかけての6秒。
泣きたいです。

振付という仕事を20年以上続けていても、簡単にできるなんてことはいつになっても訪れやしない。
…と以前もブログで書いたことを思い出しながら、今日はその振付についてのお話です。


振付作品に物語やコンセプトがあるかどうかで、作り方はだいぶ異なってくるのですが、
以下の話は、特に設定のないダンス作品ということでお話ししていきます。

僕自身、振付をする際に意識する(したい)ことがいくつかあって、それは
独自性
音楽性
繊細さ
大胆さ
重量感(スピード感)
造形美
などです。

まずは表現者として、誰かの真似ではなく、できることなら誰もが見たことのないものを作りたい。
アーティストとして生きるならば、この独自性こそが最も重要だと僕自身は思っているのですが、何を持って独自性かという点においては、語るにはなかなかの文字数を要すると思うので今回は割愛します(笑。
そして、ダンスはそのほとんどが音楽と共にありますから、その音楽に対してどう動きを当て込んで行くのか。
動きは時に繊細、時に大胆で、速度感に緩急のある、ハッと目を見張るようなものや、
ポーズの美しさ、人物配置のバランスなど、振付にはそれら多くの要素をうまく組み込みながらまとめ上げる技術と経験、センスが必要です。

一つの要素だけ見ても、簡単に獲得できるものではありませんから、全てを兼ね備えた振付を作るのはかなりの難易度です。
また、組み合わせの方法も無限にありますので、そんな中から最適解を見つけ出すのもまた、個人のセンスによるところが大きいと思います。


今でこそ振付は僕の特技であり、仕事でもあるわけですが、当然、最初からうまくできたわけではありません。
これが才能だと言える確かなものがあったわけじゃなくて、だからこそどうすべきかを必死に模索してきました。
そこで自身の持つ内なる世界観が人と違うものだったことや、それを形にせんと延々と思考し、振付を続けてきたこと、そうした僕なりの研究の成果として、観てくれた観客の皆さんや友人からの評価、コンテストでの結果などに繋がっていった、言わば戦って勝ち取ってきたものだと思っています。

たくさん考えたからいいといわけではありませんが、それでもたくさん考えてきたことで獲得してきた感覚が、現在の結果を生んでいることで、自分の感覚に自信を持つことができるようになりました。

先日終演しました舞台「ピノキオの嘘」でも、20曲以上あるダンスナンバーに対して、メンバーそれぞれが振付を考えてくれましたが、そのほとんどに僕の手が加わっています。
メンバーは僕による手直しにストレスを感じることもあったかもしれませんが、そこは僕も譲りません(笑。
良くなると思ったことは妥協しないですし、この感覚は僕自身が血の滲むような経験の末に獲得したものだからです。


僕の振付はよく「細かい」と言われます。
あとは「数学的」とか評されることもあります。

それはダンサー配置の展開や、一見自由に見えるダンサーのポーズを全て整えて決めているなどの点が、そんな評価を生むのだと思います。

確かにDAZZLEで作る振付の中で、わずか1つのポーズを作るのにその日のリハーサル時間全てをかけたこともあります。
時間にして1秒にも満たない刹那です。
1ポーズといっても×9人分ですので、9人のポーズを考えるのですが、そのバランスが適当だと美しくならない。
身体の向き、角度、手の位置など、近すぎず、離れすぎず、絶妙なポジションに置く。それによってできる一枚の絵がいかに美しいかを求めるのです。

願わくば、どの瞬間を切り取っても美しい作品を作りたい。

と、それほどまでに造形美を求めているのですが、お分かりの通り、時間がかかり過ぎる(笑。
こだわっているといえば聞こえは良いのですが、過剰なこだわりは毒にもなります。

「神は細部に宿る」
という名言がありますが、細部をこだわり過ぎて進行のしわ寄せを喰らうということもしばしば。
それに、端から見たら「どっちでもいいのでは」という点であーだこーだと議論しているのかもしれない。

そんな時に良く思うのは「決断力があったら」です。

振付師には色々なタイプがいます。
舞台上の動きを紙面で計算し、動きも完全に用意してから進行していくタイプと、
細かい計算はせずに、その場で振りを考え、つけていくタイプ。

…ちょっと極端な分け方をしましたが、実際は振付師それぞれに特色があります。

言わずもがな、僕は前者で、あらかじめ流れと振りを計算しているので、作品として綺麗にまとめることができます。
ただし、計算に当てはめていく進行は、イメージ通り行かなかった場合の対処につまずいたり、型にはまり過ぎて窮屈に見えることもあります。

後者は、ダンサーの動きを尊重しながら進行していくことで生まれる伸びやかな構成ができたり、思いもよらない新しい発見につながることもあります。ただし、その場その場で良いと思う選択を繰り返すことで、起承転結が上手く構成されていなかったり、作品が大味になり過ぎてしまうということもあります。

もちろんどちらがより優れているということではありません。
僕の場合は事前準備がないと失敗する傾向にあるので、(昔、それで構成を失敗した経験から)どうしても後者のような進行はできないのですが、後者の方が持つ決断力に憧れることがあります。

振付とは、当たり前ですが、振付師が決めます。
振りを考えていく最中、色々なパターンで体の動きを構築していくわけですが、
僕の場合は、とにかく色々なパターンを考えた上で、どれを選ぶのが良いかと決めていきます。
しかしながら、あれも良いし、これも良い、もしくは一つも良いと思うものがない、となったりして、もしかしたら印象がそれほど変わらないものでもとにかく悩んでしまいます。

ところが、これを即座に決められる人がいる。
なんなら、1つ目のパターンでもうOKというほぼ即興で振りを作れる人がいるのです。
事前準備が全くないという強者はあまりいないとは思いますが、ほぼそれに近い状態でリハーサルを始めてしまう。

以前、このタイプの振付師に「振りが思い付かず、ダンサーたちを待たせることにならないか」と尋ねたところ、
「多少はあるけど、逆に事前には作れない。人を前にして集中することで生まれる」という回答をもらったことがあります。

僕には真似できないなと思いましたし、生み出す力と同時に「決断する力」に長けているんだなと思いました。

もちろん踊りのジャンルにもよるので、決められたテクニックの組み合わせで見せていくものや、
コンテンポラリーのように、それ自体が即興で展開していくような作品もあります。
しかしながら、どこで良いと判断するかは自分次第で、悩もうと思ったら永遠に悩んでいられるし、永遠に直せる。

この振付師としての判断力と決断力を、もっと的確にできるようになりたいと思う今日この頃です。


さて、ただいまリハーサル真っ最中の舞台「SUPER SWAN」ですが、演出・振付の西島数博さんはどのタイプの振付師かと言いますと…

なんと両方持ち合わせていると思います!
チャイコフスキーの楽曲の理解度はさることながら、全体的な構成のイメージ力も非常に高い上、振付がめっぽう速い!
しかも、その場でどんどんと決めていくので、すごく頼りになりますし、しかも面白いんです。

あまり多くは語れませんが、西島さんと踊らせていただくシーンなんかは特に、彼のファンの方は美しさに悶絶するんじゃないでしょうか(笑。
そして僕自身も美しく存在できるように頑張りたいと思います!
ぜひご期待ください!


さらに、今週末は8月〜9月に横浜で開催されるダンスフェス「Dance Dance Dance@YOKOHAMA」での企画として発足した「DAZZLE共演プログラム・舞台『ピノキオの嘘』出演者募集のオーディション」がいよいよ行われます。

皆さんにご覧いただいた舞台「ピノキオの嘘」に、このオーディションで選ばれた若手ダンサーを加えることで、9人だけでは表現しきれなかったシーンや、新しいナンバーなども加えて、さらに面白い舞台になることをお約束します。
こちらもぜひご期待くださいね。


それではまた次回。



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ゲスト出演情報
NEW!!
EARTH CELEBRATION 2018
ハーバーマーケットライブ「鼓童 Dance Night〜CHAKKA FES〜」
【CHAKKA FES】[音]チャッカフェス

出演:PInO、TATSUO、長谷川達也(DAZZLE)、荒井信治(DAZZLE)、佐藤喬也(BLUE TOKYO)、松田陽樹(BLUE TOKYO)、石井侑佑(BLUE TOKYO)、鼓童(中込健太、蓑輪真弥、小松崎正吾、住吉佑太、三浦康暉、池永レオ遼太郎、大塚勇渡、米山水木、小平一誠、前田順康、木村佑太、平田裕貴)

日時:8月17日(金) 19:00開演/21:00終演(予定)※雨天決行
場所:小木みなと公園 特設ステージ
チケット:6月15日(金) 9:30より発売 詳細はコチラよりご確認ください
大人 5,000円、小中学生1,500円(当日+300円) ※未就学児童は無料
ハーバーマーケットライブ3日間通し券 13,500円(大人のみ)
定員:1,200名(全席自由) 2部構成(2部はスタンディングライブとなります)

NEW!!
SUPER SWAN 新演出『白鳥の湖』全2幕
出演者:西島数博、長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、南雲篤史、高田秀文、Ewen Chiu、Dennis Chen他
日時:開場は30分前
6月30日(土) 18時〜
7月1日(日) 13時〜 / 17時〜
場所:豊洲シビックセンターホール
チケット:全席指定 6歳から入場可
SS席8,000円 / S席6,000円
※SS(前方)席はプレゼント付、公演当日に会場にてお渡しします
★3月10日(土)10時〜 好評発売中!
江東区豊洲文化センター:03-3536-5061‬‬ (9:00〜21:00、第2・4月曜日休館)
https://www.kcf.or.jp/toyosu/‬‬
チケットぴあ:0570-02-9999‬‬ [Pコード]485234
http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=1809864

終了しました。ありがとうございました!
ストレンジシード
日程:5月5日(土) 、5月6日(日)
場所:静岡・市役所前ステージ

終了しました。ありがとうございました!
日本財団、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)主催
TRUE COLOURS アジア太平洋障害者芸術祭
日時:2018年3月23日(金)〜25日(日) 1日1ステージ 計3公演
場所:シンガポール・インドア・スタジアム
チケット:こちらのサイトをご確認ください ※英語サイトのみ


舞台情報
ワークショップで選ばれたメンバーと共に再演!
Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2018
ピノキオの嘘

日程:2018年9月8日(土)、9日(日) 時間未定
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館ホール
チケット:詳細は後日発表

終了しました!ありがとうございました
「ピノキオの嘘」(Hibiya Festival「The Stage」出演)
日程:4月27日(金) 、4月28日(土)
場所:東京ミッドタウン日比谷

終了しました。ありがとうございました!
イマーシブシアター Touch the Dark
2017年8月25日(金)〜9月3日(日)
2017年10月26日(木)〜10月29日(日)


DAZZLE振付情報
NEW!!
DAZZLE 主宰 長谷川達也他DAZZLEメンバーが一部、振付を担当しております
浅田真央サンクスツアー
日時:
6月2日(土)&3日(日) 軽井沢風越公園アイスアリーナ(長野)
7月21日(土)&22日(日) 月寒体育館スケート場(北海道)
その他、全国多数の都道府県で開催予定
詳細はコチラよりご確認ください

赤レンガサイト及び崎陽軒サイトから動画をチェックできます!
企業・地域と劇場をつなぐ 赤レンガ・ダンスプロジェクト
株式会社崎陽軒 創業110周年記念事業
オリジナルダンス制作・振付:DAZZLE

終了しました。ありがとうございました!
手塚治虫 生誕90周年記念
「Amazing Performance W3(ワンダースリー)」

原作:手塚治虫 漫画 W3(ワンダースリー)
構成・演出:ウォーリー木下
日程:2018年2月9日(金)〜3月4日(日)
会場:DDD青山クロスシアター


メディア出演情報
NEW!! AdverTimes(アドタイ) 連載「国民総ダンサー時代前夜に考える、ダンスとクリエイティブの幸福な関係」 (飯塚浩一郎)
NEW!! 日本財団DIVERCITY IN THE ARTS アーティスト・インタビュー (長谷川達也)
日本財団DIVERCITY IN THE ARTS DAZZLE稽古場レポート2
日本財団DIVERCITY IN THE ARTS DAZZLE稽古場レポート1
フジテレビ「1Hセンス」 (長谷川達也)
T JAPAN闇に呑まれ、闇に酔いしれる。DAZZLEが放つ体験型演劇 Touch the Dark
ダンスニュースメディアサイト Dews『【ネタばれなし】リピーター続出で全公演完売!DAZZLEによる”体験型公演”「Touch the Dark」が開幕。9/3まで』
withnews『没入感ハンパない!廃病院で体感、新感覚のイマーシブシアターが登場』
トウキョウダンスマガジン
『DAZZLE公演「Touch the Dark」特集 長谷川達也×上妻宏光』
 (長谷川達也)

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20周年記念特別企画「 DAZZLE × _____ 」
DAZZLE20周年記念公演「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」PV
2015/3/6『バラーレ』公開ゲネプロ (2015年3月)
DAZZLE公演「花ト囮」@国際フォーラム PV (2014年9月)
DAZZLE「二重ノ裁ク者」(2014年1月 記者会見時パフォーマンス)
DAZZLE「花ト囮」ファジル演劇祭フィナーレ(イラン・テヘラン) (2012年2月)
DAZZLE「Re:d」TRAILER (2011年11月)
DAZZLE「花ト囮」シビウ演劇祭フィナーレ (2011年5月)
DAZZLE「0NE」TRAILER (2010年10月)

※2018年5月24日現在
posted by DAZZLE at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メンバーブログ