2018年02月01日

DAZZLEメンバーブログ -飯塚浩一郎-


本日のブログは飯塚浩一郎です。

先日はたくさん雪が降りましたね。
今年はまだまだ降るかもしれないとのことですので、お気をつけ下さい。
僕は個人的にニューヨークでマイナス10度の寒波を体験してきたので、まだ余裕があります(笑)
雪を見るために東南アジアから日本へ観光に来る方も増えているそうですが、そういう話を聞くたびに日本に四季の豊かさがあることの幸福を感じます。

雪が降ると、思い出す詩があります。
宮沢賢治の永訣の朝。
教科書にも載っていたのでご存知の方も多いと思いますが、宮沢賢治の有名なファンタジー作品たちとは違い、ドキュメンタリー的な作品です。
宮沢賢治の妹が亡くなる間際のやりとりを描いたものですが、妹の言葉が随所に入っているのが胸に迫ります。

その詩にインスピレーションを得て書いた詩を朗読し、それに合わせて踊るという作品を作ったのが2009年。
コピーライターの仕事でも、僕のポエティックな作品を気に入ってくださったクライアントさんがいて、ラジオCMでもよく詩を書いていました。


この頃はポエトリーリーディング+ダンスという作品をいくつか作っていて、その後の長編のナレーション時のダンスにつながっていきました。

この「心中の雪」という作品も、雪を見たときに思い出して頂ける作品にしたいと思って作ったのですが、他にも季節を強く反映したものも作ってみたいですね。

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[心中の雪]
目が覚めると、空気が冷めているのを感じた。
息を深く吸い込むと、冷気が静かに肺を満たし、
胸の奥から、冬の到来を僕にささやく。
なぜだろう。
ゆるやかに移ろうはずの季節の変化は、
いつもささやかな、とある瞬間としてやってくる。
そして。
それは僕がずっとできなかったことを、
実行する時が来たことを意味していた。

さあ、はじめよう。
僕は目覚まし代わりの携帯電話を、代わりに眠らせて、
今日会うべきはずだった人、すべきはずだったことに、
少しの罪悪感と共に別れを告げた。
淡く曇った窓を開けると、
風に乗った一粒の雪が、
ほほの上でゆっくりと氷から水に変わった。

雪。
雪。
雪。
雪だ。
一面の雪が僕の記憶を覆い尽くす。
ならば、その雪をかき分けて、君を見つけよう。

僕はPCと向き合い、
君の輪郭をなぞるように、
言葉をつなぎ始めた。
手紙の書き出しはこうだ。
「覚えているだろうか」

僕らが出会ったときも、季節は冬だった。
僕は波打ち際を歩くのが好きで、
曇り空のあの日も、
触れないように、離れすぎないように、
波と会話するようにユラユラと歩いた。
そしてふと顔を上げた時、ずっとそこにいたかのように、
君がいた。

ささやかに覗いた歯が白く光り、
なぜか心をひかれる笑顔。
その時僕のお気に入りのブーツは、静かに波に吸い込まれていた。
一瞬で十分。理由もいらなかった。

そして、僕は冬が好きになった。

それから僕らはよく、海沿いを一緒に歩いた。
空にオリオン座が輝きだしたら、あとは君の季節。
父親譲りのライターで点けた、
不規則な焚き火の音。
足元で小気味よく霜が砕ける。

小春日和には日なたを選んで回り道。
響きあうウミネコの声。
缶コーヒーの乱暴な熱さ。
白い息と共に、現れては消える言葉たち。

だが、何回目かの冬。
君とは歩けなくなった。
窓の外に雪が降ると、君は弱気になる。
「海の向こうには何があるんだろう」
そうつぶやいた君のまなざしは、
僕を見ているようで、僕の向こう側にある何かを見ていたようにも思う。
そして僕は冬が怖くなった。

君は、行ってしまう。
僕がどんなに行かないで欲しいと願っていても。
まるで、最初からそう決まっていたかのように。

行くな。
行くな。
行くな。

僕は書くのを止めた。
もちろん分かっている。
無限に広がる余白を文字で埋めたところで、
心の中の空洞を埋めることはできない。
だが、想いは言葉になることで、形を持ち、証となる。
君との時間。
君の言葉。
君のまなざし。
君の温度。
君が確かにここにいたという、確信。
いかないで。

夢から覚めると、君は冷めきっていた。
僕はそれを温めなおしたかったけれど、
その冷たさは絶対的な強さをもって僕を拒否した。
君のいない冬は、いつもより静かで、
雪の降る音さえ聞こえる気がした。



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information
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出演情報
NEW!!
日本財団、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)主催
TRUE COLOURS アジア太平洋障害者芸術祭

日時:2018年3月23日(金)〜25日(日) 1日1ステージ 計3公演
場所:シンガポール・インドア・スタジアム
チケット:こちらのサイトをご確認ください ※英語サイトのみ


舞台情報
NEW!!
Hibiya Festival「The Stage」出演
新作舞台(タイトル未定) 披露   ※詳細は順次発表
日時:OPENはそれぞれ30分前 2日間 1日2回 合計4公演
4月27日(金) 15時〜 / 19時〜
4月28日(土) 13時〜 / 17時〜
※2017.1月末時点、上記START時間は予定です
場所:東京ミッドタウン日比谷 (2018.2.1竣工)
主催:三井不動産株式会社、一般社団法人日比谷エリアマネジメント
協力:帝国ホテル、東宝株式会社、公益財団法人 ニッセイ文化振興財団(日生劇場)、株式会社ニッポン放送 他
「Hibiya Festival」詳細はコチラの三井不動産リリースをご覧ください

2017年8月25日(金)〜9月3日(日)
2017年10月26日(木)〜10月29日(日)
イマーシブシアター Touch the Dark


DAZZLE振付情報
NEW!!
企業・地域と劇場をつなぐ 赤レンガ・ダンスプロジェクト
株式会社崎陽軒 創業110周年記念事業

オリジナルダンス制作・振付:DAZZLE

手塚治虫 生誕90周年記念
「Amazing Performance W3(ワンダースリー)」

原作:手塚治虫 漫画 W3(ワンダースリー)
構成・演出:ウォーリー木下
日程:2018年2月9日(金)〜3月4日(日)
※上演時間70分
会場:DDD青山クロスシアター
東京都渋谷区渋谷1-3-3 ヒューリック青山第2ビル B1F
料金:6,500円(税込) ※全席指定 ※未就学児入場不可
詳細はコチラをご確認ください
主催:Amazing Performance W3 実行委員会
ニッポン放送、読売広告社、シーエイティプロデュース、手塚プロダクション、キューブ、フラックス


メディア出演情報
フジテレビ「1Hセンス」 (長谷川達也)
T JAPAN闇に呑まれ、闇に酔いしれる。DAZZLEが放つ体験型演劇 Touch the Dark
ダンスニュースメディアサイト Dews『【ネタばれなし】リピーター続出で全公演完売!DAZZLEによる”体験型公演”「Touch the Dark」が開幕。9/3まで』
withnews『没入感ハンパない!廃病院で体感、新感覚のイマーシブシアターが登場』
トウキョウダンスマガジン
『DAZZLE公演「Touch the Dark」特集 長谷川達也×上妻宏光』
 (長谷川達也)

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20周年記念特別企画「 DAZZLE × _____ 」
DAZZLE20周年記念公演「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」PV
2015/3/6『バラーレ』公開ゲネプロ (2015年3月)
DAZZLE公演「花ト囮」@国際フォーラム PV (2014年9月)
DAZZLE「二重ノ裁ク者」(2014年1月 記者会見時パフォーマンス)
DAZZLE「花ト囮」ファジル演劇祭フィナーレ(イラン・テヘラン) (2012年2月)
DAZZLE「Re:d」TRAILER (2011年11月)
DAZZLE「花ト囮」シビウ演劇祭フィナーレ (2011年5月)
DAZZLE「0NE」TRAILER (2010年10月)

※2018年2月1日現在
posted by DAZZLE at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メンバーブログ
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